今日はなぜか1日、頭がボーっとしていてパっとしませんでした。
こういう日もあります。
日経新聞の第一面に名前がのり、朝からたくさんのお電話、ご連絡いただきました。
日経の波及力すごいですね。ちょっと気恥ずかしい。
2011年に地域おこし協力隊になり、卒業してから1年半。
これまで地域おこし協力隊の運用について多くの方と意見交換させていただきました。
最近、木下斉氏が協力隊について言及されたので、
今日はOBの立場から書いてみようと思います。
地域おこし協力隊とは、地方において地域外の人材を地域に定着させることで
都市のニーズに応えながら、地域の力を上げていく事業。
総務省の事業で特別交付税から給与と事業費がでます(3年間)。
僕が入った当初は全国で200人弱でしたが、現在は1500人以上。
岡山県では現在、74名にのぼります(いつの間に!)。
今や、地域おこし協力隊の「成功」事例「失敗」事例も多くなり、
ネットで検索すれば、沢山参考になる資料がでてきます(以下は「失敗」関係)。
それらの失敗事例を踏まえ、地域サポート人ネットワークや地域系のシンクタンクが
運用に関するチェックリストを作ったり、研修を行っていますが、
なかなか普及していません(自治体の方、必ず使ってください)
地域と行政と協力隊3者のビジョンの整合が取れていないとか、
地域側が協力隊の意義について理解できていないとか、
地域の手伝いばかりになって卒業後はいれなくなるとか、
活動経費がまったく使えないとか、
未だにわかっているのに解決できない課題が沢山あるのです。
細かいことはあげるとキリがないので、他の方のブログ等にゆずりますが、
協力隊は導入段階で8割成否が決まるといっても過言ではないと思います。
協力隊の運用については自治体の裁量が大きいですが、自治体が運用する段階で
ひずみができ、その穴を個人の能力でうめなければならない(ところもある)。
ゆえに、地域おこし協力隊というのは生半可の覚悟ではできない、
というふうに思っています(少し厳しいですが、ぼくも何度かたおれた経験から。)
導入時期に、誰がこの事業に責任をもつのか、はっきりさせることが重要かと思います。
協力隊個人なのか、地元企業なのか、行政なのか、地域の団体なのか。
そこから考えて、責任ある主体がビジョンを示して3年間の動きを考えたらいいと思います。
行政の事業で税金を使う都合上、難しいこともあるようですが、そこを乗り越えうまく
活用している自治体もあります。
美作市の場合は、責任の所在は「協力隊個人」だと理解していました。
そして、幸運なことに、地域にちゃんとUターンのメンターと受け入れ団体があり、
行政との意思疎通もできていた(感謝!)
課題はありますが、たまたま恵まれたんだと思います。
協力隊に必要な支援は地域内からの支援がとても重要です。
特にUターンで都市の感覚もわかる方が地域内におられたらベスト。
地域と行政で協力隊を守っていくくらいのサポート体制が必要です。
移住と起業という普通に難しいことを2つも兼ねるのでそれくらいは必要です。
総務省から自治体経由で協力隊への起業支援事業などもでてきております。
卒業生は、起業はもちろん、地域事業所への就職・移住関係のコーディネーター、
観光事業所、森林組合の職員、大学職員などになっている事例があります。
今後、地域おこし協力隊卒業後の活躍の場は教育や福祉、観光等の他分野で
広がっていくと思います。
例えば、文科省の地域人材の育成を掲げる知の拠点事業や、
厚労省の介護保険制度改正による生活支援コーディネーター、
農水省のグリーンツーリズム関連の事業等、
協力隊のキャリアを生かせる事業は多くあります(むしろ使わない手はない)
行政の縦割り、地域の縦割りを超えていけるのが協力隊卒業生であります。
(行政の方、ぜひ彼らの存在を頭に入れておいてもらえたら。必ず力になります)
協力隊卒業生の他分野での活用から、
未来の日本を支えていく種になる事業がうまれてくるかもしれません。
私は、OBとしてなすべきことも多くあると感じています。分野横断的な事業をやりつつ、
私が動く範囲で協力隊のサポートや自治体へのアドバイスをさせてもらっています。
協力隊事業は課題も多い事業ですが、
僕は、税金を使って若者に地域で挑戦できる機会を提供し、
自治体と地域住民に地域を元気にする起爆剤を与えたという点で
基本的に非常に素晴らしい事業だと思っています。
この事業で培われた地域での経験や成果が、未来の日本の礎になる。
そう思って活動している同志も多くいるところに希望があるし、
僕自身もこの事業を通して成長させてもらったなと思っています。
ありがとうございます。少し、懐かしみながら書きました。
書きたいことは山ほどありますが、今日はこのくらいで。
あ、
11月21日に東京で岡山県内市町村の地域おこし協力隊の合同説明会があり、
卒業生代表でしゃべるのできてね。また案内します。